漢方薬は、自然由来の成分を用いた伝統的な医療の一つであり、体質や症状に合わせて選ばれることで、高い効果を発揮します。しかし、正しく服用しないと効果が半減したり、副作用が出たりすることもあります。また、漢方薬同士の相性にも注意が必要です。本記事では、漢方薬の正しい飲み方や、併用が危険な組み合わせについて詳しく解説していきます。
1. 漢方薬の正しい飲み方とは?
漢方薬を効果的に服用するためには、以下の点に注意しましょう。
① 食前・食間に服用するのが基本
漢方薬は一般的に「食前(食事の30分前)」または「食間(食後2時間後)」に飲むのが理想的です。これは、漢方薬が胃の中に余分な食べ物がない状態で吸収されることで、最大限の効果を発揮するためです。
しかし、胃が弱い人や漢方薬で胃が荒れやすい人は、食後に服用しても問題ありません。特に、胃に負担がかかる可能性のある「大黄(だいおう)」を含む処方(例:大柴胡湯〈だいさいことう〉)などは、食後に飲む方が良い場合もあります。
② ぬるま湯で服用する
漢方薬は、基本的に「ぬるま湯」で飲むのが推奨されています。これは、漢方薬の成分が適切に溶けて、体内に吸収されやすくなるためです。特に、冷たい水で飲むと胃腸を冷やし、効果が弱まることがあります。逆に熱すぎるお湯だと成分が変化する可能性もあるため、適温(約40℃前後)がベストです。
③ 服用量と服用期間を守る
「漢方だから副作用がない」と思いがちですが、適量を守らないと副作用が出ることもあります。たとえば、「甘草(かんぞう)」を過剰に摂取すると「偽アルドステロン症」という症状を引き起こし、高血圧やむくみの原因になります。
また、漢方薬は長期的に飲むことで効果を発揮するものが多いですが、短期間で効果が出るものもあります。自分に合わないと感じた場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
2. 絶対に避けるべき漢方薬の組み合わせ
漢方薬には、同時に服用すると効果が打ち消し合ったり、副作用が強くなったりする組み合わせがあります。ここでは、特に注意すべき漢方薬の併用について解説します。
① 甘草(かんぞう)× 麻黄(まおう) → 高血圧やむくみのリスク
代表的な処方:小青竜湯(しょうせいりゅうとう)+甘草湯(かんぞうとう)
甘草は、体の炎症を鎮める働きがありますが、大量に摂取するとカリウムの排泄が促進され、血圧が上昇しやすくなります。特に、麻黄を含む漢方薬(例:小青竜湯)と一緒に摂取すると、高血圧やむくみのリスクが増します。
⚠️注意が必要な人:高血圧の人、心臓病の人、むくみやすい人
② 大黄(だいおう)× 甘草(かんぞう) → 下痢や脱水症状のリスク
代表的な処方:大柴胡湯(だいさいことう)+甘草湯(かんぞうとう)
大黄は、強い下剤作用を持つ生薬です。一方、甘草は水分のバランスを崩しやすい成分のため、この2つを併用すると下痢がひどくなり、脱水症状を引き起こすことがあります。
⚠️ 注意が必要な人:便秘薬を使っている人、脱水しやすい高齢者
③ 桂枝(けいし)× 麻黄(まおう) → 発汗過多による脱水症状
代表的な処方:桂枝湯(けいしとう)+麻黄湯(まおうとう)
桂枝は、血行を促進し、体を温める働きを持つ生薬です。麻黄も発汗を促す作用があるため、これらを組み合わせると異常な発汗が起こり、脱水や倦怠感を引き起こす可能性があります。
⚠️注意が必要な人:汗をかきやすい人、夏場や暑い環境で働く人
3. 漢方薬と西洋薬の併用の注意点
漢方薬は、西洋薬と併用することも多いですが、組み合わせによっては危険な副作用を引き起こすことがあります。
① 漢方薬の「甘草」× 降圧剤(例:利尿薬)
甘草にはナトリウムを体に保持する作用があり、降圧剤(特に利尿薬)と併用すると血圧コントロールが難しくなります
② 麻黄を含む漢方薬 × 交感神経刺激薬(例:気管支拡張剤)
麻黄は交感神経を刺激し、気管支拡張作用がありますが、西洋薬の気管支拡張剤と併用すると、心拍数が上がりすぎて不整脈の原因になります。
4. まとめ:漢方薬を安全に服用するために
漢方薬は、適切に服用すれば体質改善や病気の予防に大きな効果を発揮します。しかし、飲み方を間違えたり、相性の悪い組み合わせで服用したりすると、副作用や効果の減少を招く可能性があります。
🔳安全に漢方薬を服用するためのポイント🔳
• 基本は食前または食間に服用する(胃が弱い人は食後も可)
• ぬるま湯で飲む(冷水や熱湯は避ける)
• 医師や薬剤師に相談して適切な組み合わせを選ぶ
• 甘草や麻黄などの成分に注意し、過剰摂取を避ける
漢方薬を上手に取り入れ、健康な生活を送りましょう。もし不安なことがあれば、専門家に相談することをおすすめします!